研究班の紹介
一覧はこちら研究班について・代表挨拶
慢性活動性EBウイルス病(Chronic active Epstein-Barr virus disease, CAEBV)は、EBウイルスに感染したT細胞やNK細胞が活性化し、熱などの炎症症状が反復する疾患です。炎症が進行すると、全身のさまざまな臓器に障害が生じます。EBウイルスに感染したT細胞やNK細胞は腫瘍(がん)の性質も持ち合わせており、経過とともに悪性リンパ腫や白血病を発症することもあります。これまでの報告は欧米からは非常に少なく、多くは日本を中心とした東アジアからなされてきました。日本においても年間発症数が20人前後(厚生労働省研究班調査)と非常にまれな病気です。そのため、診断や治療を行える専門施設は限られています。
ほとんどの人が感染し、体内に持っているEBウイルスが、なぜ一部のヒトにCAEBVをおこすのか、その仕組みは明らかにされていません。また、CAEBVを治す薬は未だ開発されていません。
私たち厚生労働省CAEBV研究班は、「なぜCAEBVが発症するのか、どうすれば治せるのか?」に対する答えを出すべく活動してきましたが、この度、CAEBVについての情報を広く発信するためのホームページ「CAEBVポータルサイト」を立ち上げました。
CAEBVをめぐる最新の情報をお伝えしていきます。このサイトが広く活用され、一人でも多くのCAEBVの患者さんに、そのご家族に、そして患者さんを診療する医療従事者に役立つ情報をお届けできればと願っております。

厚生労働省難治性疾患政策研究事業
「慢性活動性EBウイルス病と類縁疾患のレジストリ・バイオバンク運用体制の拡充と診療連携基盤の確立」研究代表者
聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科 主任教授 新井文子