疾患の紹介
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1964年、イギリスのウイルス学者であるEpsteinとBarrらが、バーキットリンパ腫の患者の検体からウイルスを分離し、彼らの名前にちなんでEpstein-Barrウイルス(EBウイルス)と名付けられました。
EBウイルスは、主に唾液を介して感染し、多くの場合は幼児期に家族内で感染し、一部は思春期に異性間で広まります。わが国では、成人になるまでに90%以上の人が感染していると言われており、普遍的な(ありふれた)ウイルスです。
小児期に感染した場合、風邪のような比較的軽い症状しか現れませんが、思春期には伝染性単核症という急性熱性疾患を発症することがあります。
EBウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下した時などにリンパ腫/リンパ増殖性疾患を引き起こすことがあります。
このウイルスはバーキットリンパ腫や慢性活動性EBウイルス病、種痘様水疱症様リンパ増殖症など様々な悪性リンパ腫/リンパ増殖性疾患と関連しているだけでなく、上咽頭がんや胃がんの一部にも関連しています。しかし、EBウイルスに感染し体内に潜伏していても、必ずしもがんになるわけではなく、ほとんどの人ではがんに進行しません。