疾患の紹介
一覧はこちらHV-LPDとSMBAについて
皮膚型CAEBVについて
皮膚症状を主体とするCAEBVは皮膚型慢性活動性EBV感染症(病):cutaneous CAEBVと呼ばれています。
1)種痘様水疱症リンパ増殖異常症 (HV-LPD)と、2)重症蚊刺アレルギー (SMBA)の2つの疾患があります。
1)種痘様水疱症リンパ増殖異常症 (HV-LPD)について
HV-LPDは、1862年にフランスの皮膚科医であるBazinによって、日光に当たる部分に種痘に似た水ぶくれができる病気として初めて報告されました。
幼少期に顔や耳、手の甲などに小さな水ぶくれができ、その部分が壊死してかさぶたを作り、浅い傷跡を残して治ることが多いです。通常は、遮光やステロイド外用など症状を和らげる治療を行いながら経過を見ていき、成人までに自然に良くなることが多い病型を「古典型種痘様水疱症 (cHV)」と呼びます。
一方で、東南アジアや中南米を中心に、顔が腫れたり、発熱や肝臓の障害、リンパ節が腫れるなどの全身症状を伴う「全身型種痘様水疱症 (sHV)」として区別されています。
古典型も全身型も、Epstein-Barrウイルス(EBV)に感染したT細胞が関係して発症すると考えられており、合わせて「種痘様水疱症リンパ増殖異常症 (HV-LPD)」と呼んでいます。
2)重症蚊刺アレルギー (SMBA)について
SMBAは、蚊に刺されたり、ワクチン接種を受けた後に、刺された部分が激しく赤く腫れ、深い潰瘍を作るため、治ったあとも瘢痕を残します。
この病気には、EBVに感染したNK細胞が関係しており、通常の虫刺されとは異なり、発熱やリンパ節の腫れ、肝臓などの内臓に障害が出るなど、重い症状を引き起こすこともあります。
sHVやSMBAの標準治療は確立していませんが、経過中重症化し、慢性活動性EBV病;CAEBV(全身型 CAEBV)へ移行した場合、造血系幹細胞移植が考慮されます。